排尿に関する症状
(詳しくはこの項の他に「排尿障害について」のページを御覧下さい。)
個人差はありますが、成人一日の尿量は1200〜1500ccが普通です。
また、膀胱は通常300cc程度溜めて排尿します。従って、平均的な回数を求めると
となるわけです。
まず起きている間は3〜5回、夜寝てからは0〜1回が普通です。
では、上記の数値を平均として、それを大幅に上回ると多尿、下回ると乏尿と
なります。(下表参照)
また、尿が全く出ない場合もありますが、これも出ない理由を考えなければなりま
せん。即ち、尿が腎臓で作られないため出ない場合と、作られていても膀胱から排出
できないで膀胱に尿が沢山溜まった状態の場合とがあるからです。前者を無尿、
後者を尿閉といいます。無尿には腎不全が、尿閉には前立腺肥大症、前立腺癌、
尿道狭窄などが考えられます。
主な症状と、考えられる病気を下に挙げてみます。
排尿の症状と病気 症状 症例 考えられる病気 排尿時痛
排尿時の痛み
膀胱炎 尿道炎
前立腺炎 外傷排尿困難
正常の排尿は、特に努力を要さず
太い尿線で勢いよく排出され、
短時間に終了し、かつ膀胱が完全
に空になることをいいます。
このように排尿できないものを
排尿困難といいます。
前立腺肥大症 前立腺癌
尿道狭窄 神経因性膀胱
膀胱機能障害残尿感
尿が残っている感じ。刺激による
ものと本当に残っているものとが
あります。
膀胱炎 尿道炎 前立腺炎
前立腺肥大症 前立腺癌
尿道狭窄 膀胱機能障害尿失禁
尿漏れには色々あります。
漏れ方に注意して下さい。
下記参照 頻尿
一日の排尿に回数が少ない
(5〜6回以上)
前立腺肥大症 膀胱炎
神経因性膀胱 前立腺炎
神経性頻尿 膀胱下垂夜間頻尿
夜に限って排尿回数が多い
前立腺肥大症 腎機能低下
神経性頻尿 神経因性膀胱尿意促迫
尿が我慢できなくてトイレに駆け込む
前立腺肥大症
神経因性膀胱 膀胱下垂
神経性頻尿多尿
一日の尿量が多い
糖尿病 尿崩症 腎不全 乏尿
一日の尿量が少ない
腎不全 脱水
では、尿失禁について説明します。
どのようなものがあるかといいますと
・腹圧性尿失禁・・・・・・・・ | 腹圧(咳、くしゃみ、立ち上がり)で尿が漏れる。 括約筋(尿を止めておく筋肉)筋力の低下。 女性に多い。 |
・溢流性尿失禁・・・・・・・・ | 尿が膀胱に溜まりすぎて溢れ出る。 膀胱機能障害、前立腺肥大症、尿道狭窄、前立腺癌 等考えられる |
・反射性機能性尿失禁・・ | 脳の中枢、脊髄障害のため尿が漏れる。 脳疾患、脊髄疾患等による。 |
・尿道外尿失禁・・・・・・・・ | 尿路が尿道外に通じて尿が漏れる。 先天性奇形、婦人科癌等による。 |
・遺尿・・・・・・・・・・・・・・・・ | 小児のおねしょ |
このように、尿失禁といっても様々です。自覚症状がある場合には
恥ずかしがらずに気軽に専門医に相談しましょう。